接客が上手い人の特徴と共通点とは?3つのポイントを紹介します。

接客とサービス

突然ですが、接客してもらった時に「いい接客!気持ちいい!料理は普通だけど、気持ちいいからまた来たい!」と感じること、ありますよね!?逆に、食事を楽しみに行ったのに、「料理は美味しいのに、接客が悪いからもう来ない。」と決意することもありますよね・・・?
ネットショップでも「商品はいいけど、サポートが悪い/発送が遅い」・「商品は普通だけど、サポートが手厚い/すぐに配送してくれる/メール文やメールの頻度が心地いい」といった具合に、実店舗でもネット店舗でも「商品・サービスの購入」と「接客」は表裏一体の存在であることがわかります。

そこで本記事では、「接客が上手いことのメリット」・「接客が上手い人の特徴と共通点」・「飲食店での接客が上手い人の特徴と、レジでの接客が上手い人の特徴」をご紹介します。

接客が上手いことのメリットは?

それは、「商品・サービスが売れる」この一点に尽きます。
ただ、結果的にゴールが販売に繋がっているだけで、それまでの過程(信頼・ブランド)の質が高くなることに大きな要因があります。
商品やサービス、価格だけで「購入」という行為が決められるのであれば、「営業」という仕事はありません。先ほども申し上げましたが、「商品・サービスの購入」と「接客」は表裏一体です。

接客が上手い人の特徴と共通点

接客上手の共通点が3つあります。

接客上手の3つの特徴

接客の上手い人は「笑顔と清潔感」
接客の上手い人は「利用シーンをイメージさせる」
接客の上手い人は「聞き上手」

接客の上手い人は「笑顔と清潔感」

「ノンバーバルコミュニケーション」や「メラビアンの法則」があるように、心地よいコミュニケーションの重要な要素の1つとして「視覚情報」があります。
メラビアンの法則によると人が情報を取得し、相手に与える影響については以下のようになります。

【メラビアンの法則】

  • 言語  7%
  • 聴覚 38%
  • 視覚 55%

このように、表情や身だしなみ、身振り手振りが与える印象はコミュニケーションの55%を占めています。接客が上手い人は、このことを理解し意識的に「選んでくれてありがとうございます」・「誠実、真剣に案内している」という気持ちをお客様に伝えるのです。相手に与える印象を意識的にコントロールすること、しっかりと思いを伝えるという行動がファンを作ります。
また、「接客業で笑顔が重要なんて当然だろ。」と思われるかもしれませんが、笑顔には他にも大きな効果があります。笑顔は、幸福感をもたらすセロトニン(幸せホルモン)が分泌を促します。仕事でする笑顔(作った笑顔)だから効果がないのでは?と考えるかもしれませんが、安心してください。幸せホルモンはしっかり分泌されます。ストレス社会と言われる現代でも、ストレスが解消されプラス思考になることができます。

接客の上手い人は「利用シーンをイメージさせる」

時代に合わせて、人の購買行動にはあらゆるカタチが存在するようになりました。

「広告から興味を示して購入」
「インターネットを駆使して、能動的に調べてから購入」
「口コミや憧れの人と同じものを使いたいから購入」

しかしいつの時代も、購入者の目的は「製品・サービスを購入する」ことではありません。購入した後の「理想の実現」が目的です。そのためにも、「利用シーン・理想・ベネフィット」をイメージ・濃厚に伝えることが大切になります。

【ベネフィット例】

・日焼け止めクリーム
全身の肌の色が統一されるので、服のカタチや露出部の制限なしに好きなお洋服をきれいに楽しく着られます。
・高級自動車
一般自動車とは異なり、まるで高級ソファに座るようなドライブしながらリラックスできます。また、ドアの開け閉めだけでも、音の重量感に心地よさを感じられます。

【ベネフィットを作るための「FABの法則」】

FABの法則とは、「Feature(機能)、Advantage(効果)、Benefit(ベネフィット)」の頭文字を取ったもので、お客様にささるベネフィットを作るための3ステップです。

Feature(機能)
商品やサービスについてしっかり把握します。
新発売のものなら、自身でしっかりと使って活用方法や機能を抜け漏れなく把握しましょう。既存のものなら、自身で使うのは当然ですが、既存ユーザー様によく使う機能や利用シーン等をお伺いしましょう。

Advantage(効果)
洗い出した機能がどのような効果をもたらすのかを考えます。
お風呂の追い炊き機能は「時間が経過しても、温かいお風呂に入浴できる」、時計の防水機能は「水辺でも気にせず利用できる」、電子マネー機能は「現金を持ち歩かず、支払いができる」と機能によってもたらされる効果はことなります。
その中でも特に重要になるのは、決め手になりやすいオリジナル機能です。

Benefit(ベネフィット)
最後に、効果に対する「さまざまな目線」・「あらゆる利用シーン」を変えましょう。

機能お風呂の追い炊き機能
効果時間が経過しても、温かいお風呂に入浴できる
ベネフィット①大家族でも、いつでも温かいお風呂に入浴できる。
②水道代が節約できるので、経済的にも環境的にもいい。
機能時計の防水機能
効果水辺でも気にせず利用できる
ベネフィット①海水浴でも、時間をいつでも把握できる。
②水濡れも大丈夫なので、飲食店で働いていても安心して使える。
機能電子マネー機能
効果現金を持ち歩かず、支払いができる
ベネフィット①非接触で現金の受け渡しがないから、安心して利用できる。
②事前決済や事前注文ができるから、お持ち帰りやデリバリーが気楽に。

接客の上手い人は「聞き上手」

物・サービスを売るために、話をしないといけないと思われると思いますが、実は相手の本当の声を聴くことが大切です。まずは、しっかりと話を聞くことで、最適な提案・販売が可能になります。
聞くこと、「傾聴」を構成する要素として、アメリカの心理学者カール・ロジャーズの「ロジャーズの3原則(中核3条件)」というものがあります。

【ロジャーズの3原則(中核3条件)】

1 共感的理解
相手の立場に立ち、気持ちに共感しながら理解しようとする。

2 無条件の肯定的関心
善悪の評価や好き嫌いの評価、相手の話を否定せずに、考え・思いの背景を肯定的な関心を持って聴く。

3 自己一致
真摯な態度で真意を確認すること。相手の意図や思いがわかりにくい場合やわからない時は、伝えて真摯に聴く。

これに関しては、意識せずに実施できていると思う方も多くおられると思いますが、体調や気分によって人のパフォーマンスは大きく変わります。意識することで、抜け漏れを未然に防ぎ、聞く力を活かしてトーク力を最大化しましょう。

飲食店での接客が上手い人の特徴

これまでは、全ての接客に活用できる技術とテクニックのご紹介でしたが、飲食業界では以下の3つの特徴も大切になります。

飲食店での接客が上手い人の3つの特徴

お客様視点を徹底する
仲間とのコミュニケーションを大切にする
トラブルに対して臨機応変に対応できる

お客様視点を徹底する

お客様視点を徹底することで、受け取るサービスへの「印象」・「満足」が大きく変化します。わかりやすい例えなら「サプライズ」になります。お誕生日をサプライズでお祝いする場合、「相手に気づかれない」「相手が欲しいものを用意する」「相手が喜ぶお祝いをする」「相手が嬉しい場所に連れていく」が重要な項目になるでしょう。ここで大切なのは常に、主は「相手」というところです。
「お客様視点を徹底する」ことは、相手がしてほしいこと、されて嬉しいことを言われる前に提供することです。

仲間とのコミュニケーションを大切にする

飲食業界は、キッチンとホールが分業しているが密にコミュニケーションを取る必要性が高い業種の一つです。ですので、他者と協力しないと乗り越えられない問題や、自分の責任ではないのにと感じる理不尽な怒りをぶつけられることもあります。
しかし、そんな中でも「明るく・楽しく・元気よく」接客を続けることができるのは、接客のプロであり仲間を大切にするからです。コミュニケーションをしっかりと取ることでキッチンとホールの連携も強くなります。それにより料理の提供速度や、お客様から見たお店の印象、失敗した時の助け合いの質が大きく変わります。

トラブルに対して臨機応変に対応できる

多くのお店では、お客様に安定した高品質のサービスを提供するために接客マニュアルが用意されています。マニュアルには、通常時と緊急時の対応方法が記載されているものですが、マニュアルに記載がないものやマニュアル通りの対応で満足いただけない場面に直面することもあるのです。
その際にお店の代表として、お客様にご満足いただけるサービスを提供できるか臨機応変な対応と柔軟な考え方、お店にとって最善の対応を判断・提案できることが大切になります。

レジでの接客が上手い人の特徴

セルフレジや券売機が多くのお店で導入されはじめたことで、レジ接客は以前に比べ減りましたが、まだ多くのお店ではレジでの対面接客が採用されています。
レジ接客では、以下の3つの特徴が大切になります。

レジでの接客が上手い人の特徴

レジ業務を作業だと思わず、接客だと意識する
丁寧な対応を心がける
スピードを意識する

レジ業務を作業だと思わず、接客だと意識する

レジを日頃からお金を支払う場所として認識していること、あらゆることが自動化されてしまったことで接客という認識ではなく、作業という認識になってしまうことがあります。
レジは金銭授受をする場所なのでお金を支払う場所には間違いないのですが、お店にとってはお客様からお金をいただく場所です。
アパレルショップや美容室のように世間話をしながら、お会計をするといった接客は全てのレジ業務に必要ないですが、「作業ではなく接客」という意識を強くもって接客することが大切になります。

丁寧な対応を心がける

お金と商品の受け渡しが発生するレジでは、「正しい言葉遣い」・「両手を使った受け渡し」など、必ず丁寧な対応を心がけましょう。
例えばコンビニでは、商品を袋に詰めるときの目的を「袋に入れる」と「バランスを取れるように袋に詰める」、「バランスと商品がつぶれないように袋に詰める」では袋から商品を出した時の体験が大きく異なります。

  • お客様が求めているものは何か?
  • お店を好いてもらうためにはどうするべきか?
  • 自分を好いてもらうためにはどうしたらいいのか?

提供したい想いを気持ちと行動で受け取ってもらえるようにしましょう。

スピードを意識する

商品点数やお客様の支払い速度に影響を受けてしまうスピードですが、スーパーやコンビニの行列にイライラしている人は多くいます。
早ければいいというわけでもありませんが、たとえ1分でも1秒でもお客様の大切な時間に違いありません。接客と丁寧さを意識してスピーディーに対応していくことが大切になります。

まとめ

「接客が上手いことのメリット」・「特徴と共通点」・「飲食店での接客が上手い人の特徴と、レジでの接客が上手い人の特徴」を紹介しました。
営業は思いや感度の違う他人同士がコミュニケーションを取る、正解のない難しい仕事の一つです。同じお店に訪問されるお客様でも、年齢、性別、訪問時間によって求めて接客は異なるでしょう。
本記事が、一人でも多くのお客様を気持ちよくできる機会となれば嬉しく思います。

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