【伝わるメニューの作り方】メニューデザインをする際のコツ、意識することを基礎から紹介します。

飲食店向け情報

突然ですが、皆さんはメニューのデザインにどのくらいの知識があり、どのくらいの想いで向き合っているでしょうか!?
「メニューなんてなんだっていいよ!大事なのは味!接客!」と思う方もいるかもしれませんが、国内には合計で数十万件以上の飲食店があります。出店地域やジャンル(和・洋・中など)にもよりますが競合性の高い市場であり、リピーターを増やしつつ新規のお客様を獲得し続けることが重要です。
本記事ではメニューデザインに関して、「メニューデザインが重要な理由」「メニュー表を作成する上で心掛けたいポイント」「お客様の目を引きやすいメニューデザイン」「便利なデザインツール」の4つをご紹介します。

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メニューデザインが重要な理由

メニューとは?

メニューは飲食店に限らず、美容室や映画館などでも設置されているお客様が商品を注文するためのコンテンツです。
デザイン(見せ方)で店舗の売り上げに大きく影響ができるため、多くの店舗がデザインを重要視しています。また、メニューデザインは「エディトリアルデザイン」というデザインジャンルにカテゴライズされます。エディトリアルデザインとは、読み手の視線や意図を考え、視覚的な効果を狙ったレイアウトや情報整理を行うジャンルです。

メニューをデザインする理由

メニューデザインに力を入れている店舗の目的の中には「店舗に対する印象を良くする」ことがあります。新規のお客様を確保するには、「食べてみたい」「行ってみたい」と思っていただけるデザインに仕上げることが重要です。
そこでデザインが必要な理由は、大きく分けて2つあります。

情報を整理し、見やすくするため

「情報なんて大体見たらわかる」「整理なんて大げさ」「見にくいなら近づけたらいい」など、否定的な意見もありそうですが、情報の整理は重要です。
情報の整理、見やすさ、わかりやすさなどはサービスやホスピタリティの一部に繋がります。見るだけでパッと推し商品が分かったり、写真と商品名と金額が一目でセットに入ってきたり、オプションメニューであることが明確であったりなど、考えずに理解ができることが重要です。
ご来店いただいたお客様が求めている、美味しい料理と楽しい時間へのパフォーマンスを最大化するために情報整理をしましょう。

効率よく商品を販売するため

飲食店のメニューはオススメ商品の文字が大きかったり、色がついていたり、写真が貼ってあったり、目につきやすいデザインになっています。
そこには先ほどの情報整理の観点もありますが、すべてのメニューを同じ大きさの文字でズラーっと並べられていると、お客様は何をオーダーすべきなのか迷子になります。そこでメニューに優劣を付けて判断しやすくすることで、オーダーしやすい環境を作ることが大切です。
さらにオーダーしやすい環境を整えることで、店舗側は売れてほしい商品の販売数をコントロールできるようになります。

メニュー表を作成する際に心掛けたいポイント

メニュー表を作る際には、さまざまな視点での考え方が重要になります。
店舗や自身で作成する場合であっても、外部のプロデザイナーに依頼する場合であっても以下の立場や考えは重要になります。

1 徹底したお客様目線

店舗側からすると手間と利益を考慮して、より少ない手間で少しでも利益率の高い商品を効率よく提供することが理想ですよね。しかし皆様もわかっているように、お客様目線ではやはり「コスパが良いもの」「お得に利用したい」というのが本音です。

このことからもわかるように店舗目線のままメニュー表を作成してしまうと、お店にとっては魅力的なメニュー表であっても、お客様にとっては魅力のないメニュー表です。魅力のないメニューとは「初めてご来店してくださったお客様がお店の推しメニューがわからない」や「商品情報(サイズや味付け)が明確にわからない」などがあります。
徹底したお客様目線でメニューを作成することで、お得な情報もしっかりとご利用いただけ、サービスの質も上がり来店数にも期待できます。

魅力のあるメニュー表

  • 初めての来店でもお店の推しメニューがわかる
  • サイズや味付け、アレルゲンなどの情報が明確に伝わる
  • 人気の商品がわかるので注文しやすい
  • 金額が明確である
  • 可読性が高い

2 販売戦略に沿っているか意識すること

同一業態であってもお店によって訴求のポイントは異なります。
同じ焼肉店でも(お肉の鮮度がポイント、値段の安さがポイント、牛タンがポイント)など100店あれば100店の訴求(強み)があり、それはブランディングの一部で販売戦略となります。すなわち「○○を訴求ポイントにして、ブランディングしていこう。」という想いをメニューにも反映することが必要です。
お肉の鮮度が訴求ポイントなら、「鮮度がいい理由を記載する」「鮮度の価値を数字にして明記する」「キャッチコピーにレアや〇〇秒焼きなどの文言を記載する」などがあります。
牛タンが訴求ポイントなら、「牛タンだけのメニューを作成する」「産地や牛へのこだわりを記載する」「食べ比べができるメニューを作成する」などがあります。

販売戦略に沿っているメニューデザイン

高級シンプルな色使い、すっきりとしたレイアウト、落ち着きのあるデザイン
低価格賑わいのあるデザイン、価格を訴求する
質が高いこだわりを可視化、数値(受賞ランキングなど)、希少性を伝える

3 出来上がったメニューデザインへレビューすること

これまでの内容をもとにデザインを作成しても、おそらく最初はあまり良くありません。
そこで質を高めるためのレビューを実施することが重要です。レビューは料理で言う試食に近いので、レビューをすることでさまざまなことを改善できます。

例えば、「並び順を変更した方がいい」「文字が意外と見にくい」「写真を大きくした方がいいか」「もう少し明るい方がお店の雰囲気と合う」などです。
レビューは意見を言う側も言われる側も疲れるものですが、忌憚のない意見を正しいコミュニケーションとして伝え合うことが重要です。

また、ターゲットにしている客層を明確に把握している店舗ほど、店舗の雰囲気や提供している料理に合ったデザインができます。メニューデザインは意外とお客様にガッカリされてしまうケースが多いので、ブランディング効果への期待も込めて、店舗に合ったデザインを心がけましょう。

お客様の目を引きやすいメニューデザイン

メニューを絞ってオススメの商品を差別化

飲食店の場合、一般的なメニュー数は30~50品です。
メニュー数が多いとなにが美味しくて、どれがオススメなのかもよくわかりません。
また、何をメインにしている飲食店なのかもわからずコンセプトがブレやすくなります。見やすくてキレイなメニューデザインにするためにも、メニュー数を絞ってとくにオススメの商品を差別化することが重要です。

ジャンプ率を意識する

メニューデザインに関わらず、あらゆるデザインにはジャンプ率(優劣)をつける必要があります。
情報の主従を明確にするための重要な要素です。
よく目にする機会のあるセールの広告チラシやバナーは、ジャンプ率が高く賑やかな印象を与え、多くの人が気になるワードを大きくして注目性と可読性を高くしています。

◎賑やかで・楽しそうな印象を与えたい場合
テキストや写真の大きさに差をつけることで、ワクワク・ポップな店舗の明るいイメージをお客様に与えられます。
◎落ち着き・高級感のある印象を与えたい場合
一方、低めのジャンプ率を設定することで、大人っぽいイメージをお客様に与えられます。

行きたくなる・食べたくなるキャッチコピー

ただメニューをズラーっとのせるだけでは、お客様の興味を引くことはできません。
メニューを見て「行ってみたい」「食べてみたい」と思わせることが大切なので、とくにメイン商品にはキャッチコピーが必須です。
良いキャッチコピーは、ベネフィットが伝わり・共感でき・お店や商品の強みがわかり・他との差別化ができています。また、キャッチコピーの作成には心理テクニックを用いることが多くあります。

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適度に写真を使う

文字だけのメニュー表記では、どのような料理がどれくらいのサイズで提供されるのか想像することが難しいです。
例えば、みんな大好きなカレーライスであっても、メニューに「カレーライス」の文字だけが表記されていたら具材ゴロゴロカレーなのか、はたまた具材がなくなるまで煮込んだトロトロカレーなのかわからないですよね。
また、お客様の立場でメニュー名だけで想像できない場合は、やはりオーダーしにくいと感じると思います。こうしたことから適度に写真を利用し、メニュー表を見ただけでどのような料理がどれくらいのサイズで提供されるのか伝えることが大切になります。

ブランディングを意識する

ブランディングを意識することで、メニューデザインに限らずお店全体に一体感を与えられます。
「△△ならあのお店!」「○○と言えばあの商品!」とお客様に思ってもらえるようになると、他の飲食店との差別化を図れ、運営を有利に進められます。

明確な価格を表示

料理の価格は当然ながらお店によって異なり、店内に入ってからしか値段がわからないお店は入りにくいお店であったり、けん制してしまうお店になったりします。そこで、明確な価格表示が重要になります。
それこそ、店舗前に設置している立て看板に明確な価格表示を行うとお店の雰囲気、メニューのデザイン性などから「この価格で美味しそうだな」「1,200円か…少し高いけど1回行ってみようかな」「今度いいことがあったら行くか」とあらゆる検討余地が生まれます。

注文しやすい環境

サイドメニューやドレッシング、飲み物などのオプションが選べる店舗、選択が必要な店舗の場合は詳細情報をしっかりとメニューデザインに表記しましょう。
不意に「サイドメニューは?」「ドレッシングは?」「飲み物は?」と言われても大抵のお客様はすぐに決めることができません。また、焦ってしまい本当に食べたかったものを選ぶことができないこともあるでしょう。そのようなことがあると料理が美味しくて、接客も良くても、メニューでネガティブな印象を植え付けてしまうことになります。
しかし、詳細も表記しておくことでオーダー前に理解できるだけではなく、「どれにしようかな?」と楽しみながら本当に食べたいものだけをワクワクしながら選択できるので、飲食前・飲食後のトータルでの満足度が高くなりやすいです。

また、複雑な注文になる場合は、どのような流れで注文するのかをお客様がわかりやすいように明記することが必要です。

料理の魅力が伝わるネーミングと説明

「ネット検索時はインターネット上のメニュー」「通りがかりの際は店舗前の立て看板」「オーダー前は店内のメニューで」お客様はどこかに記載されている情報から、料理を想像し、美味しさやコストパフォーマンスなどを判断します。
そのためメニューの魅力を最大限に引き出すには、スタッフのいない状態でも料理の魅力を説明できる状態にすることが重要です。

例えばしゃぶしゃぶ店の場合、「レタス」と記載されているメニューより「朝採れレタス」とネーミングされている方が食べたく(注文したく)なりますよね。
また、上記のレタスに「毎朝300個しか収穫できない鮮度抜群の朝採れレタスです。朝に採れた美味しさをそのままいただけます。」と説明文を記載することで、魅力を伝えることが可能です。
このように説明文をつけるとお客様の目を引き、興味を持ってもらうことに繋がります。

多言語への対応

近年ではスタンダードな対応の一つになっていますが、「日本に出店しているお店だから日本語だけ」という思考は店舗にとってデメリットがあります。
リピートを重要視し、オペレーションや居心地等の観点から、初回訪問で終わる可能性の高いお客様を意図的に対象外へする分には問題ありませんが、意図せずに対象外になっている場合は問題です。

外国人観光客が多いエリアに住んでいるのに、仮に日本語にしか対応していない場合、せっかくご来店いただいた外国人のお客様はメニューを読んで理解できず、どのような料理なのか想像ができません。そうなってしまった場合、サービスが低下しホスピタリティの乏しいお店であると感じられるでしょう。
気になってご来店いただいたのにスタッフとスムーズなコミュニケーションもとれず、何が何だかわからない料理を注文して食べるのはきっと満足度も低くなります。また、コミュニケーションがうまくいかない時は、多くの接客時間が必要になり業務効率の悪化に繋がります。最悪の場合、Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)にも低評価の口コミがついてしまう恐れがあります。

このような理由からお客様に満足してお帰りいただくためにも、日本語だけではなく多言語への対応が好ましくなります。

便利なデザインツールをご紹介

Canva

Canvaは、TwitterやFacebookのホーム画面・ブログ投稿の画像・Web上のバナー広告などのテンプレートが豊富に用意されているデザインツールです。
デザインツールの使用が初めての方でも画像変更や文字入れ、配置変更などを簡単に操作できます。

月額料金無料
利用可能テンプレート8,000点
公式サイトhttps://www.canva.com/ja_jp/

Menu Express

Menu Expressは、プロがデザインした600種類のハイクオリティテンプレートを使用してメニューが作れるデザインツールです。
居酒屋・カフェ・Bar・バル・中華料理などの業態に対応しているので、店舗に合ったメニューデザインをたった3分で作成できます。

月額料金無料
利用可能テンプレート600点以上
公式サイトhttps://menuexpress.jp/

Adobe Express

Adobe Expressは、10万点以上のデザインテンプレートが用意されているので、デザインツールの使用が初めての方でも簡単にメニューデザインを作成できます。
色々なデザインがカテゴリ分けされた高品質のテンプレートが用意されているので、その中からテンプレートを選べます。

月額料金無料 or 1,078円
利用可能テンプレート10万点以上
公式サイトhttps://www.adobe.com/jp/express/

Adobe Photoshop

Adobe Photoshopは、写真のレタッチ・不要なものの削除・デザイン・イラストの制作など、幅広く使えるデザインツールです。
写真を組み合わせた合成画像の作成や背景を入れ替えるなど多機能ですが、利用難易度が高く、学習コストは一定時間必要になります。

月額料金2,728円(7日間の無料体験あり)
公式サイトhttps://www.adobe.com/jp/products/photoshop.html

まとめ

「メニューデザインが重要な理由」「メニュー表を作成する上で心掛けたいポイント」「お客様の目を引きやすいメニューデザイン」を紹介しました。
飲食店のメニューデザインは、売上げだけではなく初回来店にも大きく関係してくるツールの一つです。お客様にどのようなサービスを提供したいか、どのようなお店にしたいかという想いによって異なるものなので、メニュー作成の際は想いを乗せられているか思い返していただければと思います。

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